住めば都といいまして

住めば都といいまして

どんなところでも住めば都といいます。住み慣れたところが一番住みやすく、愛着もわくということです。引っ越しをしたことのある方なら、経験のあることではないでしょうか。

行く前は「あそこには住みたくないなあ」と思っていても、いざ引っ越してみると意外に面白いスポットがあったり、便利だったりするものなのです。

私がそれを特に強く感じたのは、大阪に住んでいた時期でした。仕事の都合もあり、大阪府内を転々とした経験があるのです。

一番最初に住んだのは大阪市の北の方で、淀川区というところでした。大阪市をネットで検索してもらうととてもよくわかるのですが、決していい評判は聞こえてきません。

治安が悪いとか、ひったくりが多いとか、そういうことばかり載っています。もちろんちょっと前までひったくり件数堂々の日本一でしたから、いい訳はできません。

治安がとてもいいよ!とも決していえませんが、ネットに書いてあるほどひどいことはないのです。人が住んでいるのですから、当たり前です。

都心なので、夜中女性一人で歩かないほうがいいエリアもいくつかあります。でもそれは東京も同じことです。東京は別格扱いされますが、そんなことはありません。

人通りの少ない細い路地などは、東京のほうが多いくらいです。例え人が叫んでいても、助けにきてくれるのは恐らく大阪のほうが多いのではないでしょうか。

治安が悪いといっても、東京の歌舞伎町のようなところに比べたらだいぶマシだと私は思っています。

少なくとも、昼間は特段心配せずに普通に生活できます。夜だって、一部のエリアを除けば女性一人で普通に歩けます。大阪はすごいところのイメージは払拭してほしいですね。

逆に、住んでいて便利だなあ、いいなあと感じることはたくさんあります。まず都会の割に物価が安い。これは京都に住んでいたときにかなり感じました。

同じ関西で隣同士なのに、物価が結構違うのです。大阪の感覚でいると、京都の物価がとても高く感じます。

交通網がちょうどいい感じに発達しています。東京ほどくもの巣でもないので、わかりやすいです。バスも安いですし、ちょっと愛想は悪いですが利用しやすいです。

商売気質なので、おせっかいなところもありますが情にあつく、豪快でおもしろい人が多いですね。住んでみればわかります。案外住みやすいじゃないか!と思うはずです。

これはどこの県でも同じでしょう。もっと大きくいえば、世界中、どこも一定期間住めば自分にとっては都になるのです。

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自分らしく生きるとは

最近の歌によくあるなあと思うのが「自分らしくいよう」というフレーズです。「君らしくいればいいよ」とか「自分らしく生きていこう」などという感じです。

こんなことをよく歌えるなあと私は常々感心してしまいます。私は30余年生きてきて、未だに自分らしさなんて発見できていないからです。

現代でいう自分とは、わが身の内だけで作られるものではなく、常に「他人」とリンクすることで作られていくものです。他人があるからこその「自分らしさ」に意味はあるのでしょうか。

自分らしく生きるとは、自分の基準や理念や倫理観に基づいて分岐点で選択をする、ということです。お年寄りに席を譲るか譲らないか、些細な日常でポイントはあるものです。

その自分なりの基準に「人の目を気にするかどうか」ということが入ってくると思います。多くの歌で伝えようとしているのは「人の目なんか気にするな」ということでしょう。

自分が思うように、自分のしたい通りに生きればいいさということだと思っています。

果たしてそれは、自分らしく生きるということなのでしょうか。人の目を気にせず、他人に迷惑をかけても己の道を進むことが、すなわち自分らしく生きるということなのか。

これははっきりと間違いだといえると思います。人の目を気にしながら、良好な人間関係を保ちながら、右往左往しながら生きていくことも素晴らしい選択だと思うからです。

私の場合の自分らしくをあえて表現するならば、「他人様に迷惑をかけない生き方」だと思います。

これは歌が表現しているゴーイングマイウェイとは逆をいくものです。しかし、その方が心地よいのです。人がどう思おうと関係ない、なんて到底思うことはできません。

そういう意味で、歌は無責任だなと思うのです。まあこれは、意地悪な解釈ですが。もっと純粋に、自分の信じた道をいけばいいんだ、と思えばいい歌なのです。

それがそう聞こえないということは、私も意地の悪い大人になってしまったということでしょう。

人生は難しい。簡単なことなど何もない。その中でもケセラセラと生きていける気持ちを持っていこうぜ、と言ってくれたほうがどれだけリアリティがあるか。

夢ばかり語るのが歌ではありません。もっと地に足つけた歌い手も出てきてほしいなと思います。